松本隆の“実験”が産んだ太田裕美『こけてぃっしゅ』 少女から大人へ、その文学的世界

邦楽

シティポップの扉を開いた少女から大人への物語

秋の夜長、ちょっとセンチメンタルな気分で、しっとり心に沁みる音楽に浸りたくなりませんか?そんな時お薦めしたい1枚が、1977年にリリースされた太田裕美の『こけてぃっしゅ』です。

「『木綿のハンカチーフ』は知っているけど、アルバムは聴いたことがない…」 「シティポップが好きで、そのルーツを探している」 「昔からのファンだけど、もっと深くこのアルバムを知りたい」
この記事は、そんなあなたのために書きました。

この記事を読めば、太田裕美『こけてぃっしゅ』の魅力が初めての方にも分かりやすく、長年の愛好家の方にも新たな発見があるはずです。アルバムの背景から、一曲ごとの聴きどころ、そして音楽史における重要性まで、余すところなく解説していきます。

さあ、一緒に1977年の音楽の旅に出かけましょう。

まずはここから!太田裕美『こけてぃっしゅ』の基本

『こけてぃっしゅ』の基本的な魅力を、ポイントを絞ってご紹介します。

そもそも『こけてぃっしゅ』ってどんなアルバム?

デビュー当初「まごころ弾き語り」のキャッチフレーズで、ピアノを弾きながら歌うフォーク調のスタイルで人気を博した太田裕美。しかし、このアルバムではそのイメージを刷新し、軽やかでオシャレなサウンドを披露しました。「アイドル」から「表現者」へと、彼女がステップアップした記念碑的な一枚なのです。

「こけてぃっしゅ」ってどういう意味?

アルバムタイトルにもなっている「こけてぃっしゅ(コケティッシュ)」という言葉、聞き慣れない方が多いかもしれませんね。
これはフランス語の「coquette」が語源で、英語の「coquettish」に由来する言葉です。その意味は「色っぽい」「男性を惹きつけるような魅力がある」といった、いわゆる「小悪魔的」なニュアンスを持っています。

ただし、このアルバムが持つ雰囲気は露骨なセクシーさとは異なります。夏の終わりの切なさや、夕暮れの静けさが混じった奥ゆかしくも小粋な魅力、それが本作における「こけてぃっしゅ」なのです。

制作陣がスゴい!音楽界の「黄金トリオ」

このアルバムの魅力を語る上で欠かせないのが、制作を担った3人の天才たちです。

  • 作詞:松本隆
  • 作曲:筒美京平
  • 編曲:萩田光雄

この3人は「黄金トリオ」とも呼ばれ、数々のヒット曲を生み出しました。特に作詞家の松本隆は伝説のバンド「はっぴいえんど」のドラマー出身で、情景が目に浮かぶような文学的な歌詞で知られています。作曲家の筒美京平は、日本のポップス史に名を刻む大ヒットメーカーです。

この才能溢れるチームが太田裕美という類まれなボーカリストを得て、そのポテンシャルを最大限に引き出したのが『こけてぃっしゅ』なのです。

まずはこの3曲から聴いてみよう!

10曲すべてが名曲ですが、まずは初めての方にオススメの3曲をピックアップしました。

夏風通信

アルバムの幕開けを飾り、本作が名盤であることを確信させる爽やかなナンバーです

制作秘話:当時、裕美さんが好きだったオリビア・ニュートン=ジョンの楽曲「Sam」にインスパイアされ、作曲家の筒美京平さんが同じイメージで作り上げた素敵な3拍子のワルツ曲です。裕美さん自身もこの曲が大好きだと語っています。

曲の魅力:短いピアノのイントロから始まる、囁くような太田さんの歌い出しが印象的です。まだ涼しさが残る夏の朝のイメージそのもののような爽やかさで、都会の風と恋の余韻が交差する情景が描かれています。この1曲目の素晴らしさでアルバムの世界に引き込まれるリスナーも多かったはずです。

九月の雨

アルバムからシングルカットされ大ヒットした、太田裕美さんのもう一つの代表曲です

サウンドの特徴ポール・モーリア風とも評される、スリリングなピアノイントロから始まるゴージャスなアレンジが特徴です。洋楽テイストの曲が多いこのアルバムの中では、歌謡曲の色合いが強い異色のナンバーとなります。その特徴からか、アルバムの最後に配置されています。

歌詞の世界:作詞の松本隆さんが、都会の雨の夜の恋愛模様を鮮やかに映像のように描いています。太田さんの切迫したような切ないボーカルと一体となり、良質な短編映画を見るような贅沢さを感じさせます。

恋愛遊戯

アルバムからの先行シングルとしてリリースされた、ボサノヴァ調のお洒落なポップチューンです

音楽性:当時としては珍しいボサノヴァタッチの楽曲で、「和製ボッサ」とも評されています。16分音符が続くメロディー展開や、基音に着地しないエンディングなど、少し複雑でつかみどころがない印象ながらも、時を経て瑞々しさを保ち続ける名曲と評価されています。

アルバムバージョン:このアルバムに収録されている音源は、シングルバージョンとはボーカルが異なります。

歌詞のテーマ:恋愛を「ゲーム」になぞらえたキャッチーな内容で、それまでの太田さんのイメージにはなかったコケティッシュな新しい女性像を描いています。この路線は後の松田聖子さんの作品世界に繋がっていくものです。

以上3曲はアルバム『こけてぃっしゅ』の洗練されたサウンド、そして「表現者」としての太田裕美さんの新たな魅力を象徴する楽曲と言えるでしょう。

さらに深く知る『こけてぃっしゅ』の世界

ここからは愛好家の方やもっと深く知りたいという方のために、『こけてぃっしゅ』が生まれた時代背景や、制作の裏側に隠された物語を掘り下げていきます。

1977年―「ニューミュージック」から「シティポップ」への架け橋

『こけてぃっしゅ』がリリースされた1977年前後は、日本の音楽シーンが大きく動いた時代でした。

1970年代の日本のポピュラー音楽(邦楽)において、ニューミュージックとシティポップは従来の歌謡曲とは一線を画す新しい音楽の流れとして登場し、それぞれが進化しながら後のJ-POPへと続く道筋を築きました。その進化と影響は、音楽性、制作スタイル、歌詞の世界観など多岐にわたります。

ニューミュージックの誕生と進化

1970年代前半、それまでのフォークソングがロックやポップスの要素を取り入れ、より洗練されたものが「ニューミュージック」と呼ばれるようになりました。その進化の過程にはいくつかの重要な特徴があります。

シンガーソングライターの台頭: ニューミュージックの最大の特徴は、作詞家、作曲家、歌手が分業していた従来の歌謡曲システムとは異なり、アーティスト自らが作詞作曲を手がけるシンガーソングライタースタイルを主とした点です。吉田拓郎や井上陽水、荒井由実(松任谷由実)らがその代表格とされています。

歌詞の変化: それまでのフォークソングが持っていたイデオロギーや生活感を排し、より個人的な心情や心象風景、都会的な感覚を描くようになりました。この変化は、若者層の感性に強く訴えかける「新しい音楽」として認識されました。

サウンドの洋楽化: 欧米のフォーク、ロック、ポップスの影響を強く受け、サウンド面での洗練が進みます。アコースティックギター中心のサウンドから、多彩な楽器編成を取り入れたバンドサウンドへと変化していきました。

アルバム志向: シングルヒットを狙う歌謡曲に対し、アルバム全体で一つの作品世界を構築することに力を入れる傾向がありました。

このニューミュージックの流れは、1972年の吉田拓郎「結婚しようよ」のヒットを大きなきっかけとして、大衆に広く認知されるようになりました。

シティポップの登場と発展

1970年代半ばから後半にかけて、ニューミュージックの中からさらに派生する形で「シティポップ」と呼ばれる潮流が生まれます。都会的で洗練されたサウンドを特徴とする音楽ジャンルです。

音楽的特徴: AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)やソウル、フュージョン、ボサノバといった洋楽の影響を色濃く反映した、お洒落で都会的なサウンドが特徴です。これにより、従来のフォークが持っていた「泥臭さ」とは対極の音楽性が確立されました。

代表的な作品とアーティスト: シティポップの成立を語る上で重要な作品として、シュガー・ベイブ(山下達郎、大貫妙子らが在籍)の『SONGS』(1975年)が挙げられます。

太田裕美のアルバム『こけてぃっしゅ』(1977年)は、彼女がそれまでのフォーク調のスタイルからウエストコーストサウンドやフュージョンを意識したシティポップへと転換した画期的な作品と位置づけられています。

「ニューミュージック」との関係: シティポップはニューミュージックという大きな枠組みの中にありながら、特に都会的なサウンド志向を持つ音楽を区別するために使われ始めた言葉です。
当時は「シティ・ミュージック」や「シティ・ポップス」といった類義語も存在しましたが、「ニューミュージック」という呼称が圧倒的に主流です。
現在「シティポップ」と呼ばれている音楽の多くは、当時は「ニューミュージック」として認識されていました。

歌謡曲との融合と1979年の転換期

1970年代後半になると、ニューミュージックと歌謡曲の境界は次第に曖昧になっていきます。

楽曲提供による交流: 吉田拓郎が森進一に提供した「襟裳岬」(1974年)や、小椋佳が布施明に提供した「シクラメンのかほり」(1975年)が日本レコード大賞を受賞したことで、ニューミュージック系の作家が歌謡曲歌手へ楽曲提供する流れが定着しました。

1979年という特異な年: 1979年はアイドル歌謡が不振を極める一方で、音楽チャートはニューミュージック勢とそのハイブリッド化した歌謡曲が席巻するという、「混沌が絶頂に達していた年」とされています。歌謡曲とニューミュージックがせめぎ合いながら融合していくプロセスが進行していました。
この融合は1980年の松田聖子の登場によって一つの完成形を迎え、70年代までの光景を塗り替えるインパクトをもたらします。

J-POPへの布石: このように、ニューミュージックとシティポップが歌謡曲の領域に侵攻し、また歌謡曲側もその要素を取り入れることで、両者は徐々に融合していきました。このプロセスが、1980年代以降の「J-POP」が成立する土壌を形成したのです。

邦楽シーンに与えた影響

ニューミュージックとシティポップは、1970年代の邦楽シーンに革命的な影響を与えました。

歌詞における「情景描写」の確立: 特に作詞家・松本隆の功績は大きく、彼はそれまでの歌謡曲とは異なり、具体的な情景描写(「自然」や「都市」の風景、乗り物、色など)を通じて間接的に感情を表現する手法を確立しました。
彼の歌詞は文学性が高く、太田裕美に提供した『こけてぃっしゅ』では少女から大人へと移り変わる新しい女性像を描き、後の松田聖子作品の雛形となりました。

音楽的な転換点:フォークからシティポップへ

『こけてぃっしゅ』がもたらした最も大きな音楽的変化は、フォークからシティポップへの移行です。

サウンドの変革: デビュー以来、「まごころ弾き語り」のキャッチフレーズでピアノを弾き語るフォーク調の楽曲が多かった太田裕美ですが、このアルバムではそのスタイルを刷新します。
前作までのフォーク色が強い作風から一転し、当時流行していたウエストコーストサウンドやフュージョン、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)といった洋楽の要素を意識した、都会的で洗練されたシティポップスのサウンドに仕上げられているのです。
あるレビューでは、デビュー以来の「マイナー感、ジメっと感がようやく本作で梅雨が明けたかの様な感じ」と表現されています。

制作陣と参加ミュージシャン: このサウンドの変革を支えたのが、作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:萩田光雄という「黄金トリオ」です。特に筒美京平によるお洒落なコード進行は、従来の歌謡曲が持つ湿っぽさを払拭するのに貢献しました。
演奏には鈴木茂(ギター)や細野晴臣(ベース)といった元はっぴいえんどのメンバー、コーラスには山下達郎らが参加しており、まさに後のシティポップシーンを牽引するミュージシャンたちが集結したことで、アルバムのクオリティと先進性を決定づけています。

後のJ-POPへの影響: このようにフォークと歌謡曲の要素をクロスオーバーさせ、都会的なサウンドへと昇華させた『こけてぃっしゅ』は、80年代に結実するシティポップスの原型とも言える作品です。この流れは後の松田聖子に代表される80年代のJ-POPへと繋がっていきました。

文学的な転換点:新しい女性像の創造

音楽面だけでなく、作詞家・松本隆が描く歌詞の世界観においても、『こけてぃっしゅ』は大きな転換点となります。

「こけてぃっしゅ」な女性像: アルバムタイトル「こけてぃっしゅ(Coquettish)」は、フランス語を語源とし、「色っぽい」「男性を惹きつけるような小悪魔的な魅力」を意味します。
松本隆はこのコンセプトのもと、それまでの清純なイメージとは異なるより複雑で多面的な新しい女性像を太田裕美に与えました。
アルバムはLPレコードのA面を「Girl Side」、B面を「Lady Side」と名付け、少女から大人の女性へと移り変わる姿を描く構成になっています。

実験的な歌詞世界: 松本隆は後に、太田裕美との一連の作品を「すべて実験だった」と語っています。
このアルバムでは、二人の男性の間で心が揺れたり(「自然に愛して」)、三角関係に悩んだり(「トライアングル・ラブ」)といった、それまでの太田裕美の楽曲には見られなかったテーマが描かれています。こうした情景と心理描写の秀逸さは、裕美さん自身も高く評価しています。

後の松田聖子作品の雛形: 『こけてぃっしゅ』で描かれた都会的でコケティッシュな女性像は、松本隆が80年代に松田聖子の歌詞で開花させる世界観の「雛形」であったとされています。
松田聖子を発掘した音楽プロデューサーの若松宗雄が、太田裕美に提供された松本隆の詞の素晴らしさに感嘆し、聖子への作詞を依頼したとの証言もあります。

松本隆の個人的な投影: 作家性の背景として、松本隆が心臓の弱かった妹の投影が、太田裕美に提供した歌詞に深く影響しているという分析もあります。例えば自作『ドール』の「心が無いからセルロイド」という歌詞は、病弱な妹を象徴していると解釈されています。
作詞家の個人的な背景が、作品に文学的な深みを与えているのです。

このように『こけてぃっしゅ』は、太田裕美をアイドル的存在から洗練されたサウンドと文学的な歌詞世界の「表現者」へと脱皮させた、キャリアにおける画期的なアルバムであったと言えます。

Q&Aで深掘り!『こけてぃっしゅ』の謎に迫る

Q1. なぜこのアルバムは「シティポップの名盤」と言われるの?

A1. 都会的で洗練されたサウンドと、シーンの重要人物たちの参加が大きな理由です。

それまでのフォーク路線とは一線を画し、当時流行のウエストコーストサウンドやフュージョンを意識した音作りがなされています。 演奏には、元はっぴいえんどの鈴木茂(ギター)や細野晴臣(ベース)、そしてコーラスには山下達郎らが参加。彼らはまさに後のシティポップシーンを牽引していく存在です。こうしたトップミュージシャンたちが集い、緻密で斬新なサウンドを構築したことが、本作をシティポップの文脈で語られる重要な作品にしています。

Q2. 松本隆の歌詞に見る「実験」とは?

A2. これまでの太田裕美のイメージを覆す、「新しい女性像」を描いた点です。

作詞家の松本隆は太田裕美との一連の作品について、「すべて実験だった」と語っています。 『こけてぃっしゅ』ではそれまでの清純なイメージから一歩踏み出し、三角関係に悩んだり(「トライアングル・ラブ」)、二人の男性の間で心が揺れたり(「自然に愛して」)といった、より複雑でリアルな女性の心理を描いています。

松本隆が『こけてぃっしゅ』以降、一度太田裕美の作詞から離れた際の発言ですが、彼がいかに彼女のアーティストとしての成長を考えていたかが伺えます。このアルバムで描かれた都会的で自立した女性像は、80年代に松本隆が松田聖子の歌詞で開花させる世界観の、まさに雛形だったのです。

Q3. 歌詞に隠された、松本隆の個人的な想いとは?

A3. 夭折した妹への想いが、作品に深く投影されているという研究があります。

筑波大学の平山朝治氏による論文『ポストモダン社会経済における、アイドルの芸術性と宗教性』では、心臓が弱く後に亡くなった妹の存在が、松本隆が太田裕美に提供した歌詞に大きな影響を与えていると分析しています。

このような学術的な視点から歌詞を読み解くと、単なるラブソングの枠を超え、作詞家の個人的で切実な想いが作品に深みを与えていることがわかります。少女の揺らぎやほのかな寂しさといったアルバム全体の情緒は、こうした背景から生まれているのかもしれません。

『こけてぃっしゅ』と合わせて聴きたい名盤

『こけてぃっしゅ』の世界に魅了されたなら、次はこの作品たちに手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

太田裕美『心が風邪をひいた日』(1975)

『こけてぃっしゅ』の約1年半前にリリースされた3rdアルバム。あの大ヒット曲「木綿のハンカチーフ」のオリジナルバージョンが収録されています。フォークの温かみとポップスのきらめきが同居しており、『こけてぃっしゅ』への変化を知る上で欠かせない一枚です。

太田裕美『ELEGANCE』(1978)

『こけてぃっしゅ』に続き、松本隆・筒美京平コンビが全曲を手がけた8枚目のアルバム。ディスコサウンドを取り入れたヒットシングル「ドール」を収録しつつ、より成熟し、多様なシチュエーションの詩世界が展開されています。『こけてぃっしゅ』で開花した表現力がさらに深化した傑作です。

太田裕美『海が泣いている』(1978)

このアルバムの最大の特徴は、アメリカ・ロサンゼルスでレコーディングされた点です。太田裕美さん自身がコンサートのMCで語ったところによると、「ロスアンジェルスで録音すると音が乾いた感じになって、ジメジメした日本でレコーディングしたのとは全然違う音になる」とレコード会社に話したことで、ご褒美のような形で実現したそうです

ギタリストのリー・リトナーをはじめとする著名なミュージシャンが参加し、「ロス録音らしい乾いたサウンド」で新境地を切り開いたと評されています。その音楽性からAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)の作品としても言及されています
このアルバムは作詞家・松本隆さんと作曲家・筒美京平さんのコンビが全曲を手がけた最後の作品となりました。そのため、シティポップの名盤『こけてぃっしゅ』(1977年)、『ELEGANCE』(1978年)に続く、松本・筒美コンビによる「3部作」のフィナーレを飾る作品とも呼ばれています

注目すべき演奏家(参加ミュージシャン)

『こけてぃっしゅ』の洗練されたサウンドは、一流のスタジオミュージシャンたちの演奏によって支えられています。クレジットされている中から、特に重要な3人をご紹介します。

鈴木茂(ギター): 伝説のバンド「はっぴいえんど」のギタリスト。彼の都会的でキレのあるギタープレイが、アルバムのシティポップとしての側面を決定づけています。

細野晴臣(ベース): 同じく「はっぴいえんど」のベーシスト。後のYMOでの活躍も知られる彼が、安定感とグルーヴ感のあるベースラインで楽曲の土台を支えています。

山下達郎(コーラス): なんと、後の「シティポップの帝王」山下達郎が、シュガー・ベイブ人脈としてコーラスで参加しています。キャリア初期の彼の歌声が聴けるのも、このアルバムの隠れた魅力の一つです。

時代を超えて愛される、永遠の少女の物語

今回は太田裕美の名盤『こけてぃっしゅ』について、初めての者から愛好家まで楽しめるよう多角的に解説しました。

『こけてぃっしゅ』は一人の少女が大人へと変わる瞬間のきらめき、切なさ、そして希望を閉じ込めた、タイムカプセルのような作品です。だからこそ半世紀近い時を経ても、私たちの心に新鮮な感動を与えてくれるのでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この秋、あなたも『こけてぃっしゅ』を聴きながら、自分だけの甘酸っぱい記憶の扉を開いてみてはいかがでしょうか。きっと忘れていた大切な感情に、再会できるはずです。

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