ジューダス・プリーストの2作目のアルバム「運命の翼」(原題:Sad Wings of Destiny)は1976年にリリースされ、後のヘヴィメタルシーンに多大な影響を与えた作品として知られています。このアルバムはバンドの音楽性を確立し、彼らが世界的な成功を収めるための重要な礎となりました。
重厚なサウンドとドラマティックな展開
「運命の翼」は、前作「ロッカ・ローラ」で見られたブルースロックの影響を残しつつも、よりヘヴィでドラマティックなサウンドへと大きく進化を遂げています。ツインギターのハーモニーやロブ・ハルフォードのパワフルかつ表現力豊かなボーカルが際立ち、楽曲に深みと奥行きを与えています。タイトル曲である「運命の翼」や「切り裂きジャック」といった楽曲は、その後のヘヴィメタルバンドに大きな影響を与えました。
ロブ・ハルフォードの圧倒的なボーカル
ロブ・ハルフォードのボーカルは、「運命の翼」のサウンドを語る上で欠かせない要素です。高音域を駆使したシャウトや感情豊かな歌い回しは、それぞれの曲が持つドラマ性を際立たせます。彼のパフォーマンスは後のメタルボーカリストたちの指標となり、そのスタイルは多くのフォロワーを生み出しました。
複雑な楽曲構成と歌詞の世界観
アルバム収録曲は、単なるヘヴィーなリフの繰り返しに留まらず、複雑な楽曲構成を持っている点も特徴です。緩急をつけた展開やインストゥルメンタルパートの挿入など、聴き手を飽きさせない工夫が凝らされています。歌詞の世界観も、単なるハードロックの枠を超え、神話や歴史、社会問題などをテーマにしたものが多く、深みのあるメッセージが込められています。
ヘヴィメタルへの進化
「運命の翼」は、ジューダス・プリーストがヘヴィメタルというジャンルを確立していく上で、非常に重要な作品と言えます。ブラック・サバスなどの先駆者たちのサウンドを受け継ぎつつも、よりスピード感と攻撃性を増し、後のNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)の潮流を生み出す、原動力の一つとなりました。このアルバムはメタリカやアイアン・メイデンといった後続のバンドに大きな影響を与え、ヘヴィメタルの歴史において欠かすことのできない一枚となっています。
輝きを失わない名盤
リリースから半世紀が経つ「運命の翼」は、その革新性と完成度の高さから、多くのファンに愛され続けています。ヘヴィメタルの黎明期を代表するこのアルバムは、時代を超えて聴き継がれるべき名盤です。

その日、たまたま録音していた渋谷陽一「ヤングジョッキー」の1曲目がジューダスの「The Ripper」でした。
冒頭ギターのリフにヤられました。4オクターブ以上の音域と言われたロブのシャウトも凄かった。エアチェック用に買った1本100円のカセットテ-プを、繰り返し聴いたなぁ。
中野サンプラザの初来日公演も行きましたね。入りは7割程度、メタルゴッドの黒皮コスチューム以前で、はでな演出もなく、ひたすらプレイしてました。ライブなんて、ああいうのでイイんだよな。
結局ジューダスを聴いていたのは、その時出ていた4枚目の「ステンド・クラス」までで、以降はまったく知りません。ヘビメタって、よくわからんのです。
まさか彼らがヘビメタの代名詞的存在になるなんて、思いもしなかった。私にとってジューダスは、ブリティッシュハードの「運命の翼」なのです。
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